32歳の女性.無月経を主訴に来院した.妊娠反応陽性.超音波検査で子宮 (12cm) 内に小嚢胞の集簇を認め,妊娠10週の全胞状奇胎と診断した.
患者への説明として適切でないのはどれか.
a 「胎児は育っていません」
b 「子宮内容除去術が必要です」
c 「20%が侵入奇胎になります」
d 「今後は妊娠してはいけません」
e 「治療後経過観察のためヒト絨毛性ゴナドトロピン〈hCG〉を測定します」
第113回 医師国家試験問題キーワード【113A45】
それでは早速キーワードの抽出を行なっていきましょう。
32歳の女性.無月経を主訴に来院した.妊娠反応陽性.超音波検査で子宮 (12cm) 内に小嚢胞の集簇を認め,妊娠10週の全胞状奇胎と診断した.
患者への説明として適切でないのはどれか.
a 「胎児は育っていません」
b 「子宮内容除去術が必要です」
c 「20%が侵入奇胎になります」
d 「今後は妊娠してはいけません」
e 「治療後経過観察のためヒト絨毛性ゴナドトロピン〈hCG〉を測定します」
第113回 医師国家試験問題解説【113A45】
全胞状奇胎の発生(の1例)としては、ゲノム欠損卵に1精子受精(23X)し、それが2倍体となって46XX(ホモ全奇胎)取ることで発生します。
胞状奇胎は全胞状奇胎と、部分胞状奇胎に分類することができます。
肉眼的に絨毛の嚢胞化が認められるもので、全ての絨毛が嚢胞化したものを全胞状奇胎、一部の絨毛の嚢胞化または胎芽・胎児・臍帯を認めるものを部分胞状奇胎と言います。
胞状奇胎のうちの十数%が侵入奇胎に移行し、数%が絨毛癌に移行します。
治療方法としては子宮内容除去術(子宮内容全面掻爬術)を2回行い(1週間おき)、娩出後もhCG値を測定しつつ厳重に管理します。
胞状奇胎娩出後5週間でhCG値が1000mIU/mL以上、8週間で100mIU/mL以上、20週でcut off値以上であれば、経過非順調型として侵入奇胎や絨毛癌を疑います
経過順調型である場合には、ある一定期間を経過すると、きちんと妊娠をすることができます。
第113回 医師国家試験問題解答【113A45】
以上より解答は d となります。
胞状奇胎の管理方法(1次管理、2次管理)は決まっており、ある一定期間を経過すれば妊娠することができます。
妊婦健診をしていると、以前胞状奇胎を罹患していた方でもきちんと妊娠している妊婦さんが受診されますよ。