最も考えられるのはどれか.
a 卵管炎
b 黄体出血
c 子宮内膜症
d 卵巣腫瘍茎捻転
e 機能性月経困難症
第113回 医師国家試験問題キーワード【113D47】
それでは早速キーワードを抽出していきましょう。
重要な箇所に赤字でマーキングしておきます。
第113回 医師国家試験問題解説【113D47】
それでは解説にいきましょう。
第113回の産婦人科分野での問題に特徴的であった事の一つに「正常」を理解しているか。ということがあります。
要するに、救急外来や外来、病棟の病院実習で如何に問題とならないケースを見てきたか、ということが解答に到達するための一つのポイントになります。
今後もこのは続くと思いますので、病棟実習はしっかり行うようにしましょう。
それではキーワードから、問題を解いていきます。
「5年前から月経時に腹痛がある」また「月経1日目の下腹部痛」から、産婦人科専門医としては「子宮内膜症」かまたは「機能性月経困難症」かな、と考えます。
この時点で腹痛をきたしたトリガーポイントは「月経」な訳ですから、この2つに絞れるわけです。
ちなみに以下の疾患のキーワードを挙げていきます。
「卵管炎」「子宮附属器炎」→下腹部痛、子宮腟頸部挙上痛
「黄体出血」→「月経14日目以降の排卵後のスポーツ/性交後の下腹部痛」
これは同時におさえておきましょう。
さて、では本問では「子宮内膜症」か「機能性月経困難症」か非常に悩むところではあります。
本来であれば、実臨床であればどちらも正解である可能性はあります。
しかし、この問題が国家試験である事を考えると、キーワードが解答の決め手となります。
「内診で子宮に腫大を認めない」→子宮腺筋症の否定
「超音波検査で卵巣に異常を認めず、ダグラス窩に液体貯留を認めない」→卵巣嚢腫(内膜症性)、また凍結骨盤の否定
この2点から、内膜症を否定してくださいというメッセージが伝わります。
また、「内膜症」をキチンと診断するためには、腹腔鏡で腹腔内を確認することが必要です。例えば「黒色点」や「ブルーベリースポット」を確認する必要があります。
そのため、今回は「内膜症」は解答の優先順位としては低いと考えます。
第113回 医師国家試験問題解答【113D47】
以上より解答は「e 機能性月経困難症」となります。