第113回 医師国家試験 産婦人科 産科 婦人科 分野 解説

第113回医師国家試験問題【産婦人科分野】

第113回 医師国家試験問題解説【問題 113A63】 

2019年4月21日

40歳の初妊婦 (10) .尿糖が陽性であったため,自宅近くの産科診療所から紹介され受診した.
現在,妊娠
30週.家族歴,既往歴に特記すべきことはない.
身長
160cm,体重62kg (妊娠前体重55kg) .体温36.7℃.脈拍88/分,整.血圧110/80mmHg
経口グルコース負荷試験〈
75gOGTT〉:負荷前値:90mg/dL1時間値:190mg/dL2時間値:160mg/dLHbA1c 5.4 (基準4.66.2)
適切な対応はどれか.
a 対応は不要である.
b 食事は46分割食を推奨する.
c 食後2時間の血糖値150mg/dLを目標とする.
d 1日の摂取エネルギーを1,200kcalに制限する.
e 食事療法が無効な場合は経口血糖降下薬を用いる.

 解説 113A63

医師国家試験 産婦人科 解説

 

この問題では、まず妊娠前から糖尿病があるのか、妊娠後も継続して糖尿病があるのか、それを見極める事が重要です。

 

また妊娠糖尿病の管理方法についてきちんと把握しているのかが問題となります。

妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠

 

ここでは妊娠糖尿病の管理方法について、しっかりと解説していきたいと思います。

 

妊娠前から糖尿病がある場合には、問題文中に既往歴に"糖尿病"についての記載があるか「妊娠初期の血液検査でHbA1c 6.5以上」という記載があります。

 

本問では問題文中にそのような記述はなく、妊娠後に発覚した妊娠糖病と分かります。

妊娠前から糖尿病の場合:糖尿病合併妊娠


妊娠時に診断された糖尿病(糖尿病の診断基準を満たすかどうかを判断する

  1.  空腹時血糖 126mg/dL
  2. HbA1c 6.5%
  3.  確実な糖尿病網膜症が存在
  4.  随時血糖値 200mg/dL or 75g OGTT 2時間値 200mg/dL
    空腹時血糖かHbA1cで確認

妊娠前から糖尿病でない場合:妊娠糖尿病

  1. 75g OGTTでの検査結果
  2. 空腹時血糖値 > 92 mg/gL
  3. 糖分摂取後1時間値 > 180 mg/dL
  4. 糖分摂取後2時間値 > 153 mg/dL


このうち全て基準未満であればGDMではありませんが、1点以上陽性の場合にはGDMとなります。

 

ココに注意

ちなみに、どのクリニック、病院でも妊娠初期にはまずHbA1cと空腹時血糖を測定します。

そこでもしHbA1c6.5以上と明らかな糖尿病である場合には、75gOGTTを投与して検査する事は禁忌です。

(問題文中に75gOGTTに先立ってHbA1cの値が記載されている場合には注意です)

妊娠糖尿病の場合には直ちにインスリンによる治療を行うのではなく、まずは食餌療法から行います。

妊娠中の食事は、高血糖を予防し、血糖の変動を少なくするために4-6分割食にします。

 

食餌療法の際のカロリー計算の目安

非肥満妊婦 (非妊時 BMI<25)標準体重×30kcal200kcal
肥満妊婦(非妊時 BMI>25)標準体重×30kcal
標準体重=身長(m×身長(m×22

血糖コントロールの目標値

早朝空腹時血糖<95mg/dL
食前血糖値<100mg/dL
食後2時間血糖値120mg/dL



大学病院や総合病院ではOGTT2点陽性以上の妊婦さんは入院の上で血糖コントロールを行います。

 

入院中は病院にもよりますが、特にインスリンを導入している方の場合であれば1日に4回の血糖値を測定し、血糖値を確認しながらインスリンの投与量を決定する。というのが一般的です。

 

大体の場合が入院中の患者さんのベッドサイドに、血糖値を記載している紙が置いてありますので、朝回診の時にその値を見て当日のインスリン量をコントロールしていくわけです。

解答

医師国家試験 産婦人科 解説

本文ではOGTTで2点陽性ですので、GDMの診断基準に引っかかります。

 

そのため、まずは食餌療法(4-6分割食)から治療を行なっていきます。

 

食後2時間値の血糖コントロール目標値は120mg/dLです。

 

この方の場合にはBMIが22以下ですので、1日あたりの必要摂取カロリー量は1889kcalです。

 

妊娠中は経口血糖降下薬は禁忌ですので注意をしてください。

 

解答はb. となります。


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