第113回 医師国家試験 産婦人科 産科 婦人科 分野 解説

第113回医師国家試験問題【産婦人科分野】

第113回 医師国家試験問題解説【問題113A62】

2019年5月14日

25歳の女性.外陰部瘙痒と帯下を主訴に来院した.3日前から強い瘙痒と帯下の増量を自覚するようになった.最終月経は15日前から6日間.月経周期は29日型,整.口腔内に病変を認めない.鼠径リンパ節の腫大を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.外陰部は発赤し,帯下は酒粕様で多い.帯下の顕微鏡写真 (無染色) を別に示す.
適切な治療薬はどれか.

a 抗菌薬
b 抗真菌薬
c 抗ヘルペス薬
d 抗トリコモナス薬
e 副腎皮質ステロイド
第113回 医師国家試験問題解説【問題113A62】 カンジダ カンジダ性腟炎 

第113回 医師国家試験問題キーワード【113A62】

第113回医師国家試験 キーワー

早速キーワード抽出を行なっていきましょう。

25歳の女性.外陰部瘙痒帯下を主訴に来院した.3日前から強い瘙痒と帯下の増量を自覚するようになった.最終月経は15日前から6日間.月経周期は29日型,整.口腔内に病変を認めない鼠径リンパ節の腫大を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.外陰部は発赤し,帯下は酒粕様で多い.帯下の顕微鏡写真 (無染色) を別に示す.
適切な治療薬はどれか.

a 抗菌薬
b 抗真菌薬
c 抗ヘルペス薬
d 抗トリコモナス薬
e 副腎皮質ステロイド

第113回 医師国家試験問題解説【113A62】

医師国家試験 産婦人科 解説

「帯下は酒粕様で多い」という表現一発問題です。

 

「酒粕」と言えば、カンジダと考えていただいて良いでしょう。

 

その他のキーワードについても見ていきましょう。

 

強い瘙痒と帯下の増量」はカンジダ性腟炎に非常に特長的な症状です。

 

またカンジダ性腟炎で留意するべきことは、口腔内カンジダです。

 

問題文中に「口腔内に病変を認めない」という記載があるのは、口腔内カンジダも確認しているという事になります。

 

鼠径リンパ節の腫大を認めない.という記載で、「癌ではない」ということが分かります。

 

また、画像についても良く確認しておきましょう。ちなみにカンジダは真菌ですので、顕微鏡で鏡検する際には「KOH直接鏡検」を行うということもおさえておきましょう。

第113回 医師国家試験問題解答【113A62】

第113回医師国家試験 解答

 

以上より解答としては b の抗真菌薬となります。製品名としてはクロトリマゾールの腟錠が一般的です。


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