【山本健人先生】「医者が教える 正しい病院のかかり方」を読み終えた感想【幻冬舎新書】

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【山本健人先生】「医者が教える 正しい病院のかかり方」を読み終えた感想レビュー【幻冬舎新書】

2020年1月17日

こんにちは。

先日、外科医けいゆう先生(Twitterアカウント@keiyou30 )の「医者が教える正しい病院のかかり方」を購入させて頂きました。私も医師として時にSNSを通して医療情報を発信する事があり、また患者として病院にかかる事もあります。


医師として、また一患者として両者の目線からこの書籍を読んだ率直な感想およびレビューをまとめさせて頂きました。


この記事はこの様な方に向けての記事になります。

  • 医療情報の発信をしている医療関係者の方
  • 医療情報の収集の仕方が分からない一般の方



昨今テレビや週刊誌、新聞だけではなく、インターネットやSNSでも多くの医療情報が溢れています。


その様な状況の中で「如何に良質な医療情報の取捨選択をしていけば良いのか」また「医療者としてどの様に医療情報を発信していけば良いのか」という点にポイントをおいて、この本を読んで得たことを記事にさせて頂きました。

【山本健人先生】「医者が教える 正しい病院のかかり方」を読み終えた感想【幻冬舎新書】

【山本健人先生】「医者が教える 正しい病院のかかり方」を読み終えた感想【幻冬舎新書】

本書から得られる「医療情報の取捨選択」に対するより良い方法

本書は医師の立場から「患者が正しく病院や医者とお付き合いできる方法」が具体的に解説された良書であり、患者が病院にかかる際によくある疑問に対して、分かりやすく丁寧に解説されています。


医療は日々進歩し発展し、現時点で最も信頼するべき「標準治療」も変化しています。


今日の最新の医療技術や常識は、数年後には新たなものに置き換えられているかもしれません。現時点で得る事のできる医療情報も今後変化する可能性も大いにあり得ます。


しかし本書は現時点での医学の知識の学習書・実用書としてだけでなく、むしろ今後の学習につなげていくための入門書として捉えることが出来ます。


そして、Q&A形式で進められることで解説される本書の回答が絶対ではなく、あくまで患者さんの病状などの状況によって大きく対処方法が変わってくるということが分かります。


実際に私が経験した実臨床の場面では、「月経痛(生理痛)」で来院された方でもその患者さんの背景によって治療方針は大きく変わります。その患者さんには妊娠希望があるのか。パートナーさんはいらっしゃるのか。月経痛以外にも医師には伝えていない排便痛や性行為痛はないか。月経痛の程度はどれ程のものなのか。


この様に患者さんの病状によっても大きく対処法、治療方針が変わってきます。


本書で何度も語られていることですが、医師や病院との付き合い方、かかり方は患者の病状によって変わります。一口に外科医といっても、非常に様々な専門分野に分かれているのです。

患者さんが本書を読むときには、具体的なケースを自分の事として思い浮かべながら読み進めると、より深く内容を理解できると思います。


様々な病気に対して医師がどのような考えを持って医療行為を行なっているのか、ということを学ぶ事の出来る良書でもあります。

「医者が教える 正しい病院のかかり方」の素晴らしい点

【山本健人先生】「医者が教える 正しい病院のかかり方」を読み終えた感想【幻冬舎新書】

他の医療書籍と比較して良かった点

本書『医者が教える 正しい病院のかかり方』は、ありそうでなかったコンパクトな実用書です。中でも他の医療書籍と比較して素晴らしい点は、医師という立場でありながら患者の目線に合わせて病院の選び方や通い方、そして医者との付き合い方やコミュニケーションの仕方などが書かれている点です。


例えば医療の実用書としては『家庭の医学』がありますが、800ページを超える本書は読み物というより辞書としての役割と言えると思います。

 

Amazonのレビューでもあった様に『新・家庭の医学』とも言える印象があります。

 

その他、例えば『総合診療医・山中先生がつくった家庭でできる診断マニュアル その症状、すぐ病院に行くべき? 行く必要なし?』のような本ではコンパクトにめまいや頭痛の原因をチェックリスト方式で自己診断できるようになってはいますが、医者とのコミュニケーションの仕方という点においては深くは語られていません。

 

上記のように病状を自己診断できるようになることは大切ですが、患者さんの目線に立つと結局は正しい病院を選び、医者とうまくコミュニケーションを取ることが必要となります。

 

本書では、その点にスポットライトを当て、患者が度々出会う不都合を解消できるようになっています。

 

例えば、患者として次のような経験をした人は多いのではないでしょうか?

 

何時間も待って診療は数分、医者に聞きたいことがあっても聞けない、説明されても意味が分からない等々・・・。

 

私がこの本を読み印象に残った言葉として、次の言葉があります。

『医師が患者さんの考え方を理解することは当然大切ですが、むしろ患者さん側が「医師はどんなことを考えて医療行為をしているのか」ということを知り、医師をうまく利用する力を身につけることも大切です』
 
 

このように本書では、医者の立場から『患者さんがベストな診療を受けるための方法』を丁寧にかつ読みやすく書かれた素晴らしい本です。

 

他の本が病状の自己診断ができるようになるのに対して、本書の場合には病院での診断の時間がより意味のある時間に変わると思います。

本の内容構成として素晴らしい点

本書の内容構成として素晴らしい点は、『医師と病院の取扱説明書』というにふさわしく、病院に行く前から始まって医者との付き合い方まで、患者の視点に立った医師と病院に関するよくある疑問点が一つ一つQ&A方式で丁寧に解説されていることです。

例えば、

  • 病院に行く前には
    『病院とクリニックにはどちらに行くべき?』
    『医師の出身大学は気にすべき?』
    『何科に行ったらいいかわからない!』
  • 病院に行ってから、
    『治療しても同じ症状が続く時は病院を替えた方がいい?』
    『医師を変えて欲しい、医師にクレームを言いたい!正直にいっていい?



さらにはがんに関する基礎知識や向き合い方、そして緊急時の救急車に関する対応方法、そして薬に関する知識が、普段から患者とコミュニケーションをとる医師の視点からわかりやすく解説されています。

 

例えば、治療しても治らなければ別の病院に行くべきなのでしょうか?

 

一つ目の家から近い病院に通っても病状が回復せず、二つ目に家から通うのに時間のかかる病院に行ったとします。

 

もし病院を変えることで病状が回復したなら、一つ目に行った病院はヤブ医者だと判断されてしまうでしょう。

 

しかしこれは、単に二つ目の医者が一つ目の病院での処置を参考にし、経過観察できたことで正しい診断をしやすくなったからに過ぎません。

 

これは、医師にとっても患者にとっても不利益を被る選択です。

 

それにも関わらずヤブ医者というレッテルを貼られてしまうだけでなく、患者にとっても家から離れた病院に通わなければならないという時間的不利益が生じてしまうからです。


従って本書では、治療しても治らなければもう一度同じ病院に行くことを推奨しています。

 

そもそも医者が患者の病状を完全に特定できることの方が少ないと言えます。


このようなことがQ&A方式で解説された本書の構成に沿って読み進めれば、医者が患者の気持ちを汲み取るだけでなく、本書に書かれた構成を読むことによって『患者が医師の気持ちを汲み取れる』ようになるでしょう。

まとめ

【山本健人先生】「医者が教える 正しい病院のかかり方」を読み終えた感想【幻冬舎新書】

この本を読み医療情報の発信の仕方の重要性、また一患者としてもどの様に病院と付き合っていけば良いのか、私自身も非常に勉強になりました。


この本はいわば「新・家庭の医学」になる良本です。患者さんはもちろんの事、医師の方も医療情報発信を行い、また臨床に携わっているのならば一冊は持っておくべきだと思います。

補足|Twitter上での反響

Twitter上でも多くの反響のある書籍です。その一部をご紹介致します。

 


他にも挙げればキリがないですが、多くの読者の方がこの書籍で「正しい病院のかかり方」「医師との付き合い方」について学ばれ、評価されています。

私もこの書籍と出会えて良かったと思っています。まだ読まれていない方には是非一度読んでいただく事をオススメします。


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