対応として最も適切なのはどれか.
a 吸引分娩
b 帝王切開
c 抗菌薬投与
d 陣痛促進薬投与
e 子宮収縮抑制薬投与
第113回 医師国家試験問題解説キーワード【113C48】
それでは実際にキーワードを見ていきたいと思います。
34歳の初産婦 (1妊0産) .妊娠39週4日の午前6時に陣痛発来のため入院した.これまでの妊娠経過は順調であった.午後4時に子宮口は全開大した.午後6時50分に破水し,内診で児頭下降度はSP+4cm,0時方向に小泉門を触知した.この時点での胎児心拍数陣痛図 (下図)を別に示す.
対応として最も適切なのはどれか.
a 吸引分娩
b 帝王切開
c 抗菌薬投与
d 陣痛促進薬投与
e 子宮収縮抑制薬投与
第113回 医師国家試験問題解説【113C48】
この妊婦さんの分娩経過につき見ていきましょう。
午前6時に陣痛発来のため入院され、午後4時に子宮口は全開大するまで、その後の妊娠経過は順調であった、とあります。
なのでここは気にしないでも良いでしょう。
ポイントは午後4時に子宮口が全開大してから、破水下午後6時50分までにかかった時間です。この問題では2時間50分が経過しています。
実際の臨床では、子宮口が全開大してから2時間経過したら、なんらかの方針(分娩第二期遷延の原因を考えて)を取る必要があります。
そこで、破水した時点の状況を見てみましょう。
NSTは子宮収縮のピークと心音の緩やかな低下が一定時間ごとに繰り返されています。これは明らかに「latent decerelation」です。「latent decerelation」の特徴は少なくとも3回程度繰り返される様なもの言いますが、このNSTでも3界繰り返されていますよね。
またさらにvariabilityも低下している様な印象を受けます。
では赤ちゃんの向きはどうでしょうか。
「小泉門が0時方向」のため、これは第一回旋、第二回旋共に問題ない事をしましています。
以上をまとめると
- 分娩第二期が遷延していること
- NSTで「latent decerelation」がみられている事
以上から急速遂娩の必要があります。
また、Sp+4であり、方法としては 吸引分娩>帝王切開 となります。
第113回 医師国家試験問題解答【113C48】
以上より解答としては a 吸引分娩 となります。