こんにちは。
今回は未経験の状態から独学でAIエンジニアに転職されたhiromu shojiさんにインタビューを行いました。
hiromu shojiさんは、大学卒業後にハード開発系のエンジニアをされていましたが、独学で勉強された結果、AIエンジニアに転職されています。
本記事のインタビュー内容
- AIエンジニアに転職するために行った勉強方法
- AIエンジニアに転職するために学習した書籍
- どの転職エージェントを利用したのか
- 現在のAIエンジニアの業務内容
- AIエンジニアに転職後の状況
わりと盛り沢山の内容をお聞きしています。
現在はPythonの初心者だが、これからAIエンジニアとして転職を希望されている方に向けたインタビュー記事になります。
転職までの経過を詳細にお聞きしましたので、参考になるかと思います。
それでは実際にお聞きしたいと思います。
では早速、未経験から独学でAIエンジニアになるまでの過程についてインタビューさせて頂きたいと思います。
どうぞ宜しくお願い致します
初めまして。hiromushojiです。
私は、元々ハード開発のエンジニアでした。
しかしAIエンジニアになりたいという希望があり、AIや機械学習についてほぼ独学で勉強し、転職する事ができました。
そこで私の経験に基づいて、AIエンジニアになるまで実際に何をしたかについて紹介したいと思います。
AIエンジニアに転職するまでの経歴
私は、東京の情報工学系の某国立大学・大学院を出たのち、某大手企業に就職しました。
そこで携帯の基地局の構造設計を6年間行いました。
具体的な業務としては、3D−CADや熱解析をもとに、小型軽量のハードウェアを作ることが業務でした。
ただこの業界はPC業界と似ていて、安い海外ベンダーと凌ぎを削らなければなりませんでした。
そこで現状のままだと将来性がないなと思い、一念発起しました。
そこで熟慮した結果、全く違うAI業界にいくことを決め、AIエンジニアとして転職する事を決意しました。
その後、約半年間自身でAIに関して独学やプログラミングスクールで勉強し、転職に成功しました。
現在は某大手IT企業にてAIエンジニアとして業務を行っています。
AIエンジニアになるまでに実際に行った独学での学習方法
AIエンジニアになると決めてから、実際に転職するまでに具体的に何を実施したかについて、手順を追って述べたいと思います。
AIエンジニアに転職する前の情報収集の重要性
AIエンジニアになる上で、学習する前に一番最初に行ったことは、情報収集です。
具体的にはコミュニティに参加し、次の項で紹介する書籍の読破を行いました。
私の場合、周りにAIエンジニアの友人が近くにいませんでしたので、AIエンジニアに実際になったときにどのような仕事を行うのか、またどういった技術が必要かがわかりませんでした。
そこでまずAIコミュニティに参加し、実際のエンジニアとはどういった技術が必要で、何を勉強する必要があるのか理解するところから始めました。
AIエンジニアになる前に行った事
- その①:TeamAIに参加して情報収集
- その②:書籍でAIに関する情報収集
- その③:サイトでAI・機械学習の学習
- その④:Kaggleのコンペに参加
- その⑤:転職エージェントに相談
- その⑥:転職のための面接対策
その①:TeamAI に参加
Team AIは、AI教育イベントを通算500回実施したことがある日本最大級のAIコミュニティです。
このコミュニティでは渋谷にあるオフィスにて週1回程度無料で、「AIエンジニアになりたい方向けのキャリアセミナー」、「Python/Kaggleを使ったデータ分析ハッカソン」、「AIの論文の輪読会」、「データ分析の前処理ディスカッション」等実施しています。
参加者は開催される内容にもよりますが、初心者から上級者の方までいらっしゃいます。
また主催者がもともと商社で勤務していたこともあり、海外の優秀なデータサイエンティストも多数参加しています。
そのため、どのうようなレベルの方にも満足いただけるようなコミュニティで非常に重宝していました。
このコミュニティに週に1回参加することで、AIの知識等学んだり、AIに強い企業等様々な情報を得ることができました。
その②:書籍でAIに関する情報収集を行う
上記のようなコミュニティは基本首都圏で19時等からスタートするので、地方の方や、就業が19時に終わらない人は参加できない方も多いかと思います。
そのような方は、以下の2冊の書籍がおすすめです。
順を追って説明していきます。
機械学習エンジニアになりたい人の為の本
この本はAI・機械学習エンジニアになるまでの過程が詳細に記載されています。
Team AIの開催者が、このコミュニティを通じてどういうふうにすればAIエンジニアになれるかについて、詳細に書かれています。
Amazonにおいても星3.9であり、すでに1万冊以上売れている本です。
これからAI業界に転職したい方は1冊持っておく事をおすすめです。
図解即戦力 機械学習$ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかり分かる教科書
この書籍はAIに関する知識をアルゴリズムから理解するためのものではありません。
むしろ、AIエンジニアとして必要な基礎知識やコア技術をまるごと理解できる書籍になっています。
AIエンジニアになるためには、どの様な仕事をしているのかを理解する必要があります。
そのためにはまず、AIに関する大まかな概要を掴む必要があり、有益な一冊でした。
その③:サイトでAIの学習を行う
AIの学習のために実際に勉強したサイトやオンラインコースは多くありますが、そのなかでも自分自身が行った内容を紹介します。
Udemy
Udemyは世界最大級のオンラインコースサイトです。AIや機械学習に関するコースもかなりあります。
値段も時期によっては9割オフで受講できる時期もあるので、そういった時期に下記コースを購入し、勉強してました。
使用した講座は以下2つの講座になります。
私が使用した講座
実践Pythonデータサイエンスの講座は、データサイエンスの分野をPythonを使って一通り学べるコースとなっています。
基本的な機械学習の実践方法を学ぶには最適なコースになります。
【キカガク流】機械学習 脱ブラックボックス講座は、機械学習をアルゴリズムの数学から理解するために有用であった講座です。
講師の吉崎さんが非常に教えるのが上手で、頭の中にスッと入ってくるような講座でした。
Coursera
Coursera とは、スタンフォード大学が始めた、無料のオンライン教育サービス(MOOC: Massive Open Online Course)です。
ハーバード大学などが運営する edX に対抗する形で創設されました。
Courseraのよいところは、なんといっても授業を無料で視聴できるところです(一部有料の授業もあります)。
また、コースに合格すると、修了証(有料)をもらうことができます。
私がCouseraで受講した講座
その中でもおすすめのコースは、スタンフォード大学のアンドリュー教授が作成したコースです。
初心者向けに基礎を解説するだけでなく、コーディングの演習問題もあるため、非常に勉強としてためになります。
また無料で受講することができます。久しぶりに大学に通ったかのような錯覚に陥るくらい素晴らしい授業でした。
ただし、すべて英語での授業になります。
世界中で受講者がかなり多いため、様々な言語に翻訳等されていますが、すべて訳されているわけではないので、英語が多少なりとも理解できないとかなり厳しいかと思います。
私はTOEIC800点程度ですが、専門用語がわからないのでかなり苦戦しました。。。。
ただし、機械学習やデータデータサイエンスの分野は英語ができたほうが特ですので良い勉強になりました。
その④:Kaggle コンペティションに参加
上記の書籍やサイトで学習した後には、kaggleの挑戦を行いました。
kaggleは、企業や政府などの組織とデータ分析のプロであるデータサイエンティスト/機械学習エンジニアを繋げるプラットフォームとなっています。
単純なマッチングではなく、「Competetion(コンペ)」がKaggleの特徴の一つです。
Competition(コンペ)は、企業や政府がコンペ形式(競争形式)で課題を提示し、賞金と引き換えに最も制度の高い分析モデルを買い取るという、最近でいう一種のクラウドファンディングに近いような仕組みとなります。
ここでよい成績を収めると就職にも有利になるということで成績上位になれるよう何度も投稿し、上位を狙いました。
このサイトのすごいところは初心者でも臆することなく参加しやすいよう初心者向けの一つの機能として「Kernels(カーネル)」があるということです。
このカーネルでは、各データセットに対して他のユーザーが構築した予測モデルのコードや説明が公開されています。
その⑤:転職エージェントを使用
AI業界への転職エージェントは様々ありますが、私は2つ利用しました。
Team AI
Team AIは人材紹介会社ですのでAI企業を紹介してくれます。AI専門なこともありかなり多くの企業情報を持っています。
ただし、雇用先の人材紹介会社としては、日本のAIベンチャー企業が中心になります。
大手企業に行きたい人にとってはミスマッチになる可能性があります。
AMBI
AMBIは若手優秀層に特化したダイレクトリクルーティングサービスになります。
優秀層に特化している為、Kaggleなどで実績は作っておく必要があります。
ここでは大手企業で年収がかなり高い企業を中心に紹介してくれます。
Tech Stars Agent
Tech Stars AgentはIT・Web系に特化した転職エージェントですが、カウンセリングが無料ですし、高単価案件も多いです。
大手企業で年収が高い企業をエンジニアの担当者が付いて相談してくれる為、安心感があります。
私は以上のリクルート業者を利用し、履歴書や面接の練習を実施し、内定をいただくことができました。
その⑥:面接対策
面接対策ですが、実際に中途採用として転職するには、実績が必要になります。
最低限kaggleや自身で株のAIを作成して実績を作りました。
面接においては、どの様な箇所を工夫したか述べられるようにする必要があります。その理由として実際に就職が決まった後でも、仕事で実績を作る事が最も重要となります。
これは余談ですが、私は上記の方法を実践する事で、自身の業務の中でAIを活用しました。
具体的には、今まで人間が感覚的にやっていたことをAIに実装することで装置の小型軽量化を実現し、会社で賞までいただきました。
AIエンジニアになってから、就職前に意識しておくべきと感じた事
AIエンジニアになってから、これはやっておいた方が良かった、これは知っておいた方が良かったと感じた事を以下にまとめておきます。
要点としては「AIに関する事以外についても勉強するべき」「転職後は転職前と同じ領域に転職するべき」「副業も意識しておくべき」という事です。
私はAIだけを勉強し、AIエンジニアになりました。
ただし、実際データ分析をすることは業務の2割にも満たないのが現実かと思います。
それ以外に下記のような知識が必要になると思いますので転職後も含め、可能なら転職前から勉強しておく事が吉です。
SQL
データベースからデータを取得するにはSQLを書く必要があります。
私はSQLの存在すら知らずに仕事を開始しました。仕事開始後、Udemyの講座で勉強しました。
「はじめての SQL ・データ分析入門 -データベースのデータをビジネスパーソンが現場で活用するためのSQL初心者向コース」
こちらは実際の現場で必要なSQLの知識を学習する事ができるので、前もって学習しておくと仕事がスムーズになります。
私がUdemyで学習した講座
転職前と同じ領域の分野でAIエンジニアとして就職するべき
AIはビジネスでは目的ではなく手段として使われます。
そのため、AIの知識だけではなく、ある特定の分野の知識も必要になります。
私のおすすめは職場としては転職前と同じ領域の分野に行き、そこでAIエンジニアという職種で働くのがベストと思います。
これは転職活動を行う際にも重要なポイントになるかと思います。
副業
実際にAIエンジニアとして新しい職場に就職しても、当然最初は一番下っ端からのスタートとなります。
私は、入社7年目で転職した身だったので、かなり辛い立場からスタートしました。
本気で早く成長し、活躍したい場合には副業で実績を積むことも重要かと思います。
副業といってもわりと簡単に行う事が出来ます。私はクラウドソーシングサイトで実績を積みました。
登録は無料ですし、就職前から以下のクラウドソーシングを利用する事は良いアウトプットの方法にもなります。
私が利用している副業としてのクラウドソーシング
まとめ|AIエンジニアになるために未経験から独学で転職は可能
以上、AIエンジニアになるために未経験からほぼ独学で転職する過程について記載しました。
この分野で活躍するには日々の勉強は欠かせません。
素人からあこがれてAIエンジニアになりたい方も多いかもしれませんが、かなり大変であることは肝に銘じて下さい。
しかしその先には非常に楽しく明るい未来が待っています。
私の学習した過程が皆さんの参考になれば幸いです。
この記事が皆さんのキャリアアップに繋がる事を応援しています。
参考書籍 hiromu shoji さんが使用された書籍
参考講座 hiromu shoji さんが使用された講座
- 【キカガク流】人工知能・機械学習 脱ブラックボックス講座・初級編
- 【キカガク流】人工知能・機械学習 脱ブラックボックス講座・中級編
- 【キカガク流】プログラミング力向上のためのPythonで学ぶアルゴリズム論
- 実践Pythonデータサイエンス
上記講座は実践Pythonデータサイエンス以外、以下のUdemyで視聴可能な講座です。