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今日から始める妊娠中の体重管理【産科医が解説】

妊娠 妊娠中 体重管理 ダイエット 増加

こんにちわ。

妊娠中の体重管理の仕方が分かりません。
妊娠中の適切な必要摂取カロリー数が知りたいです。
最近主治医に体重が増えすぎと言われました。。

妊婦さん

今回はこの様な妊婦さんに向けての記事になります。


今回は妊娠中の体重管理についてお話しようと思います。
毎回来院する度に体重が増え過ぎてしまい、主治医の先生や助産師さんから体重指導を受けた方はいませんか?「ここ2週間、4週間体重で体重増えすぎだよ。」と言われたことは一度や二度はある方も多いと思います。


言われてない妊婦さんは非常に素晴らしいと思います。逆に、痩せ過ぎの場合も良くないのですが、これはまた後ほどお話します。ただ、なぜそこまで妊娠中の体重コントロールが重要なのでしょうか。


昔は「おなかの赤ちゃんの分まで食べなさい」と言われていた時代もありました。しかし、この考えは時代遅れでして、食べ過ぎは百害あって一利なしです。(かといって、食べなさすぎて痩せすぎもNGですが。)


お母さんと赤ちゃんが健康な妊娠生活を過ごすための正しい体重の増やし方はどうすれば良いのでしょうか今回は急激な体重増加で起こりうるトラブルを防ぐためのベストな体重増加量体重が増え過ぎた時のデメリットについて説明していきたいと思います。

今日から始める妊娠中の体重管理【産科医が解説】

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妊娠中の適切な体重増加量について。

さて、お産(臨月)までに適切な体重増加量の値はいくらなのでしょうか。これには計算する方法がありまして、早速計算してみましょう。


臨月の時点で、赤ちゃんは約3kg、胎盤が約500g、ですからお産までの体重増加量は (赤ちゃん)+(胎盤)+(羊水)=約5kg程度 になります。


体重が増えてはダメなわけではありませんホルモンの作用もありお母さんも赤ちゃんを育てるために、より多くの血液(正常時の3-4割増)と脂肪が必要となりますし、出産後に授乳するために乳腺も発達してきます。


そのために赤ちゃんとお母さん合わせると、少なくとも臨月の時点では7~8kgの体重が増えます。推奨体重増加量の最大値が12kgなのに、4〜5kg差がありますよね。この4〜5kgがお母さんの中にエネルギーになって蓄えられています

このエネルギーは増やしすぎても、減らしすぎてもいけないんです。

ただし、体重が増えすぎてお母さんの中にエネルギーが蓄えられても、全てが赤ちゃんに供給されるわけではありません。やみくもに体重を増やせば良いというわけではないんですね。
どれくらい体重を増やせば良いのかは、妊婦さんの体格によって違います。


また、妊娠中「貧血ありますね。」と医師に言われて、鉄剤を処方された事のある妊婦さんもいらっしゃると思います。妊娠すると、エネルギーと同様に妊娠前よりも栄養素(タンパク質や鉄分、ミネラルやビタミンなど)が多く必要となります。

妊娠中に必要な摂取カロリー数

妊娠期間中、産褥期間中に必要なカロリーをまとめておきます。

妊娠前に必要なカロリー数は、標準体重を身長(m2)×22(kg)とすると、約身長(m2)×22(kg)×30(kcal)となります。

妊娠期間中に必要なカロリー数

  • ( 妊娠初期に必要なカロリー )= ( 妊娠前に必要なカロリー )+ 50kcal程度
  • ( 妊娠中期に必要なカロリー )= ( 妊娠前に必要なカロリー )+250kcal程度
  • ( 妊娠後期に必要なカロリー )= ( 妊娠前に必要なカロリー )+450kcal程度
さらに、
産褥期に必要なカロリー数
  • ( 産褥期に必要なカロリー )= ( 妊娠前のカロリー )+350kcal程度
となります。以外に必要カロリー数は少ないものです。


» 厚生労働省-妊娠と授乳婦-より一部引用

適切な体重管理を|実際に自分のBMIをチェックしてみる

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妊娠中の適切な体重増加量はどの程度なのでしょうか。適切な体重増加量、すなわち推奨体重増加量 は、妊娠前の身長と体重を元に考えます。この身長と体重に基づいた肥満の程度を評価するデータのことをBMIと言います。

BMI=体重(kg)/身長(m)² 

BMI(body mass index)『痩せすぎ』とか『太りすぎ』の指標となります。

例えば、身長155cm、体重50kgの方だと、
BMI=50÷(1.55×1.55)=20.81 となります。

  • BMI 18.5未満の方は痩せている
  • BMI 18.5〜25.0の方はふつう
  • BMI 25以上だと肥えている
と考えてください。
さらに、各々のBMIで臨月までに(全妊娠期間に)増やすべき推奨体重増加量は以下となります。

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ご自身のBMIは計算できましたでしょうか。またご自身の推奨体重増加量はどれほどでしたでしょうか。少なくともBMIがほぼ正常範囲の方であれば10kg程度にはおさえたいところです。


BMIが25以上は、各医療機関で個別対応としてますが、BMI25を超えるような超えている方は 全妊娠期間で+5kg を目安にしてください。

妊娠中の過度な体重増加は百害あって一利なし

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上の項目で紹介した以上の妊娠中の過度な体重は百害あって一利なしです。ここで、体重が増えすぎた時のリスクについて解説します。妊娠中に過剰な体重増加が見られた場合には、以下のようなリスクがあります。

過度な体重増加による妊娠に影響するリスク

  • 遷延分娩(微弱陣痛になりやすい)
  • 弛緩出血(産後子宮の収縮が悪くなり、出血が多くなる)
  • 麻酔が効きにくい(逆に麻酔から醒めにくい)
  • 妊娠糖尿病のリスク↑↑
  • 胎児先天性奇形
  • 新生児仮死
  • 巨大児になり肩甲難産のリスク↑↑
    (ベビーが巨大児になり、難産になる確率が高まります)
  • 妊娠高血圧症候群になりやすい(弛緩発作にもなり安い)

この様に結構なトラブルの原因になりまして、体重の増え過ぎは百害あって一利なしです。出産時のトラブルを避けるためにも、日頃から体重コントロールは重要です。


妊婦さんの中には出産後に体重を元に戻したいと考えている方、いらっしゃいますよね。

うちな、お産終わって、骨盤矯正行って、ライ○ップ通うねん!だから大丈夫やねん!

分娩後ダイエット検討中のママ

そんなに甘くはありません。


妊娠中に太り過ぎると、体重を元に戻すのが大変です。さらに妊娠線も、太り過ぎによってできやすいです。このように、体重の過度な増加はお母さんや赤ちゃんにとっても百害あって一利なしなんですね。


ただし、あまりにもストイックに体重制限をしすぎるのも良くないです。なんでもバランスが大事です。ある週には食べ過ぎて1週間で500g以上増えてしまうこともあるかもしれませんが、そしたら、次の週は500g未満を目指して抑えれる様に、ご家族や周りの方にも協力してもらい調整しましょう。


極度に厳し過ぎず、かといって甘過ぎず中道を行きましょう。次に、極端に体重制限した場合のリスクについてお話したいと思います。

過度な体重管理は要注意 |やせすぎのリスク

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あまりにも厳しく体重制限を行なってダイエットした結果、実は過度に痩せている妊婦さんが多いのも事実です。これも最近では大きな問題になっています。


妊婦さんが痩せ過ぎた場合には産まれてくる赤ちゃんが低出生体重児(2500g未満)になりやすいという報告があります。


また赤ちゃんが長期間に渡ってが低栄養になった場合、高血圧などの生活習慣病の素因が作られて、生活習慣病の発症率が高くなるという説があります。このことを成人病胎児起源説FOAD( fetal origins of adult disease )説と言います。


特に2型糖尿病や血管障害になるリスクも高いと言われており、2型糖尿病の発症機序についての研究テーマでにもなっています。


このため逆に体重が増えにくいという方は、バランスの良い食事摂取を心がけるようにして、極度な体重コントロールは控えて下さい。その様な場合には助産師さんや担当の先生に相談しましょう。

まとめ|妊娠中の適切な体重管理は重要な件

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妊娠中の適切な体重管理はお母さんのためにも赤ちゃんのためにも非常に重要です。さらに体重管理はバランスが非常に重要でして、増え過ぎても増えなさ過ぎても良くないんですね。なんでも中道が大事です。

今回は体重コントロールの重要差についてお話したので、次回は体重コントロールのための食事摂取の仕方や運動方法などについてUPしたいと思います。


みなさんがより良い妊娠生活を過ごせますように。