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後期つわりの対策法【対策法から治療法まで解説】

後期悪阻が辛い方へ対処法を解説

こんにちわ。

今回は後期つわりで悩まれている妊婦さんに向けた記事となります。

前期悪阻が終わったと思いきや、妊娠後期に入って悪阻が始まりました。

何でまた悪阻の症状があるのですか?

悪阻の症状が辛いので楽になる方法が知りたいです。

薬を飲むなら問題がないのかどうかも知りたいです。

この様な疑問にお答えします。

この記事を読むと、妊娠後期のつわりの具体的な対処方法がわかります。

この記事の内容

 

  1. 後期悪阻の症状・時期・原因・対処方法についてまるごと解説。
  2. 後期悪阻の対象法は全部で6つ。⬅︎重要
  3. さらに後期悪阻と同じ様な症状がある、鑑別が必要な気を付けなければいけない病気を解説。

そもそも妊娠後期の悪阻は、通常の「悪阻」と対策方法が異なります。

色々なサイトを見てみると、妊娠初期の悪阻と同じ様な感じで捉えられている印象を受けます。

(もちろん中には産婦人科の先生が監修してる記事もあり、後期悪阻の原因についても言及しているちゃんとした記事もあります。)

 

後期になって悪阻症状が出てきて、病院に行くのも時間かかるし、自宅でもできることを早く知りたい…という方は是非ご一読ください。

記事は3分弱で読み終えます。では早速見ていきましょう。

後期つわりとは【症状、時期、原因、対処法についてまるごと解説】

後期悪阻の症状、時期、原因、対処法の愚問点についてまるごと解説します。
後期悪阻の症状、時期、原因、対処法は??

後期つわりの症状

妊娠初期と同様に、嘔吐、吐き気に加えて、げっぷや心窩部痛(みぞおちのあたりの痛み)、胃痛などがあります。

後期つわりの症状が出てくる時期

お腹が大きくなることが原因であれば、妊娠後期から症状がどんどん悪くならないか心配です。
この様な心配をされる方も多いと思います。

ところが、妊娠週数が進んでくると、赤ちゃんの頭が下がってきます。(産まれる準備をするために降りてきます。)

そのため37週、38週頃になり週数が進んでくると、症状は悪くなる訳ではなく、赤ちゃんが生まれる準備として子宮の出口(子宮口)に近づいて降りてくると、後期つわりの症状は楽になってきます。

後期つわりの原因は

ホルモンによる身体への影響

そもそも後期悪阻という病名はありません。

「悪阻」は基本的に妊娠初期(妊娠5週~16週)に起こる症状を定義したものです。しかし妊娠後期にも同じような症状が出てくることがあります。

俗に「後期悪阻」という言い方を使います。

後期悪阻というだけあり、初期の悪阻と共通した部分もあります。

妊娠週数が進んでくるにつれて、胎盤からホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。そのホルモンによって、胃や腸などの筋肉が緩んでしまいます。

医学的には「平滑筋が弛緩する」とも言います。

そのため胃や腸の動きが低下してしまい、妊娠していない時よりも「消化が悪くなる」と感じてしまいます。

赤ちゃんが大きくなるための身体への影響

胎児の成長に伴い、子宮が大きくなり膀胱を圧迫する。さらに分泌されるホルモンが腸管の平滑筋に作用し弛緩させる。
増大した子宮は胃を圧迫し、
分泌されるホルモンが腸管の動きの低下に影響します。

また、妊娠週数が進むにつれて赤ちゃんは大きくなっていきます。

上の図を見て頂くと分かるように、赤ちゃんのいる子宮の上(頭側)には胃があります。赤ちゃんが大きくなるにつれて、胃は圧迫されてしまいます。

そのためにご飯を食べても、食べ物が胃を通過する時間がかかってしまいます。

妊娠していない時であれば食事をしてから5-6時間もすると、採った食べ物が胃の中に残ってないのですが、妊娠後期にもなるとまだ残っていることがほとんどです。

ただ胃に食べ物が残っているだけなら時間を置いておけばラクになるんですが、それ以上に胃が圧迫されると食道の筋肉もホルモンの影響で緩んでいることもあり、胃酸が食道にまで上がってきてしまいます。

この状態を「胃食道逆流症」といいます

あまりにひどい胃食道逆流症になると、胃薬、吐き気止めなどを飲む必要も出てきます。(胃薬や吐き気どめの赤ちゃんへの影響については後ほど説明します。)

このように、妊娠初期の悪阻はホルモンバランスの崩れによるものですが、一方で妊娠後期の悪阻は物理的な胃の圧迫+ホルモンの影響が原因です。


違いがわかったところで、妊娠後期の悪阻の対策法について解説していきます。

後期つわりが辛くならない為の対策法

寝方を工夫する

後期悪阻は胃が圧迫されて、消化管の働きが悪くなっている状態です。仰向けになると重力によって、胃が圧迫されやすく胃酸も逆流しやすくなります。

寝る時には、布団を畳んで背中に入れるなどして少し体を起こして寝ましょう。(半座位での就寝)

効果的な方法ですが、中々浸透していない方法ですので、一度お試しください。

食事対策

後期悪阻の原因は「大きくなった子宮が胃を圧迫すること」です。

その原因に沿った食事の取り方をしましょう。

食べすぎ注意!ですね。

具体的に後期悪阻のための食べ方をリストにします。

  1. 消化に良いものを食べる
  2. 一回あたりの食事量を減らして回数を増やす。13→6回へ食事の分割摂取がおススメ)
  3. 胃に入る量が少なければ良いので、水分を取る時期と食事の時間をずらす。(ただし、水分制限はしないでくださいね。)
  4. 刺激物(胃に負担のかかる食材)は避ける。
  5. 寝る前3時間は食事を摂らない!
  6. 食後にすぐ横にゴロンと寝ない。
まずはこの6つにつき守ってみましょう。

消化に良い食べ物を摂りながらレシピを学ぶ。妊娠中のレシピの教科書

後期悪阻の症状軽減のための消化に良い食材

消化にいいものと言われても、何を作っていいか分かりません。

具体的には、お粥さん、食物繊維の入ったバナナやリンゴ、ポタージュやリゾット、豆腐などが良いでしょう。

その様なレシピを余す事なく書いている本は書店に多くあります。時間のかからない、作るのが簡単でバランスの取れたレシピがたくさん載っていますので、一部をご紹介します。

例えば「安産ごはん」には、ゆかり入りのドレッシングで味付けたサラダやしょう入りあんかけ豆腐等、悪阻に特集したコーナーがあり、妊婦さんの必要エネルギーに応じたレシピを多く紹介しています。
妊娠中の料理本としては購入する価値は十分にあります。

「赤ちゃんとお母さんのための妊娠中のごはん」では、妊娠中の体の変化を分かりやすく解説しています。

妊娠週数によって必要な栄養素やカロリーも細かく記載して、週数に合わせたレシピが豊富なのが使いやすいです。写真も豊富です。

これらの書籍で妊娠中から新しいレシピを加えてみてください。

両方ともにAmazon売り上げランキングで上位に入っているので、一冊持っておいて損はないと思います。

追加|後期悪阻の際に使用する薬剤

・お薬 胃薬

1選択はアルサルミン®︎(スクラルファート)やマーロックス®︎(水酸化アルミニウムゲル製剤)というものです。

意外に処方されずに、ガスター®︎などがよく使用されています。

ガスター®︎って、「ガスター10(テン)」のガスターですね。
それでも良くならなった時には、ガスター®︎(ファモチジン)、タケプロン®︎(ランソプラゾール)を使用します。

ガスター®︎はH2受容体拮抗薬という部類に属するもので、タケプロン®︎はプロトンポンプ阻害薬(PPI)に属するものです。

コレらのお薬もそこそこ安全です。 

・ お薬 吐き気

 吐き気に対してはプリンペラン®︎(メトクロブラミド)を使用します。
プリンペラン®︎に早産や低出生体重時のリスクはありません

【参考文献】 >>薬物治療コンサルテーション 妊娠と授乳

漢方薬の効果

個人的に漢方薬が大好きで、「産婦人科漢方研究会」なるものにも良く参加しています。

悪阻に効くお薬としてまず使うのはコレです。

小半夏厚朴湯(厚朴(コウボク)+蘇葉(ソヨウ))

コレは一般的に使用する漢方薬です。(以前悪阻に関する記事を書いてまして、そこでオリジナルの生姜湯の作り方を記載しています。この小半夏厚朴湯+生姜のすりおろし をいれるのも非常に効果があります。)

気分も塞いでいる方には、
半夏厚朴湯(厚朴(コウボク)+蘇葉(ソヨウ)+陳皮(チンピ)+甘草(カンゾウ))
がオススメです。。

ちなみにどちらとも「むくみ」への改善効果もあります。

サプリメント

吐気を緩和してくれるビタミンとしてビタミンB6があります。

妊娠後期でも葉酸摂取することは問題ないので、ご自身で飲むサプリとしては飲みやすいタブレット錠のも良いのではないでしょうか。

妊娠中には、程よいバランスのサプリメントを摂取する必要がありますが、これは3粒で、ビタミンB6 25mg(摂取上限量は100mgです)、葉酸400μg(1日必要量)がとれます。

” 妊娠3ヶ月を超えてからの葉酸の内服は、『胎児発育不全』や『常位胎盤早期 剥離』そのほか『妊娠高血圧症候群』のリスクを下げる可能性がある “ との報告があります。
吐気にも効果はありますし、B6も摂取できるので、飲んで損はないです。

後期悪阻と間違われやすい病気  

後期妊娠と同様の症状のある鑑別疾患がある事に対する注意喚起

悪阻と思っていても実は「胃がん」だった症例報告など、注意すべき鑑別疾患が多くあります。

妊娠中に増悪する他臓器の疾患として、消化管の疾患(虫垂炎や胃腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍)や、その他にも肝疾患が色々あります。

そのため、「どうせ良くなるからほっておこう」とはせずに、病院を受診してください。

特に36週、37週を超えてもなかなか良くならない時には注意した方が良いです。

まとめ【後期悪阻は生活習慣の改善でまずは対応しましょう】

今回のポイントをまとめます。

  • 食事は1回の摂取量を減らして、6回程度の分割食にする。
  • 食事摂取後はすぐ横にならない。
  • 寝る前3時間は食事を摂らない。
  • 消化に良い物をなるべく食べる。レシピ本で消化に良いレシピを増やす。

最後まで読んでいただいて有難うございます。

妊娠初期の悪阻と後期の悪阻が異なる、とは言っても、吐きすぎるとケトン体が蓄積して点滴が必要となることもあります。

どうしても良くならない方がいれば必ず医師に相談するようにしましょう。

みなさんがより良い妊娠生活を送られることを祈っています。